体臭を発生させる病気とは?そのニオイは要注意!

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ワキガじゃないのに、ニオイが気になったり、シャワーした後にもニオイがする人は、それはもしかしたら病気から来るニオイかもしれません。汗のニオイでもなく、食べ物のニオイじゃなければ、どんなニオイがあるのでしょうか。今回は病気が原因の体臭について解説いたします。

そもそもニオイの元は何?

そもそも鼻を突くようなニオイの元とは何なのでしょうか。

生ごみ、排水口、生乾きの衣類、雑巾や布巾、靴下など顔をそむけたくなりますが、これらのニオイのもとは、すべて常在菌や細菌がタンパク質などを分解したときに発生する物質のニオイです。

それでは常在菌や殺菌の全てが悪いかといいますと、そうではなく善玉菌が有効に働けば、「発酵」という呼び方になり、悪玉菌が悪影響を与えて分解されれば「腐敗」といいます。

生ごみや排水口、生乾きの衣類など、私達が顔そむけたくなるニオイの殆どは、悪玉菌による分解が進み腐敗しているニオイといえるでしょう。

では、発酵したニオイとはどのようなニオイかといいますと、代表的なのはヨーグルトの酸っぱいニオイです。

つまり、発酵食品を摂取すると良いといわれるのは「善玉菌」を体に取り入れることになるからなのです。

そして体臭といわれる私達から発生するニオイは、皮脂腺から分泌される脂質が酸化したものと、常在菌や細菌が皮脂やタンパク質をエサにして分解したときに発生するものなのです。

ワキガとはここが違う病気の体臭

ワキガのニオイは、アポクリン汗腺から分泌させた汗を放置した結果、皮膚に付着している常在菌や細菌が汗に含まれているタンパク質などの栄養源を分解したことで発生したニオイです。

アポクリン汗腺から分泌された汗は、分泌された直後であればニオイはしません。

つまり、汗をかいた後、清潔にしておけばワキガのニオイをある程度抑えることが可能なのです。

そして、ワキガのニオイは大体同じようなニオイですので、「これワキガのニオイだね」と分かりますが、病気から来るニオイですと、素人の人には「臭い」のは分かりますが、それが何から来ているのかは分かりません。

病気の場合は、老廃物や毒素が血液中に溶けだしてしまうため、たとえ、清潔にしていても、尿や汗、吐く息などから、ニオイが発生してしまっているのです。

体臭を発生させる病気とは?

体臭を発生する病気で有名なのは、糖尿病ですが、それ以外にも病気が原因で起こる体臭がありますので、それぞれについて解説していきましょう。

糖尿病

糖尿病とは、食物から得たエネルギー源であるブドウ糖を全身の細胞や臓器に届けられず、尿として流れ出てしまうため、体の中はエネルギー不足になっている病気のことです。

食べ過ぎて、肥満になっている方もいますので、栄養不足のイメージを持たないと思いますが、インスリンというホルモンが不足してしまい、ブドウ糖を細胞に取り込めないため、食べても食べても、実は栄養不足の状態なのです。

人の体は実に良く出来ていて、エネルギー不足になると、体内にストックしてある脂肪を燃やしエネルギーを作り出しますが、その際に副産物としてケトン体が発生します。

そのケトン体という物質は、血液中に混ざり込んで、甘酸っぱい臭いがしますので、糖尿病で高血糖状態が続いている人は、独特の体臭と尿臭がしてきます。

そして、糖尿病の初期の頃には自覚症状が殆どありませんので、糖尿病が診断される頃には病状が進んでいる場合があります。

糖尿病は放置すると、「糖尿病性腎症」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性神経障害」などを容易に引き起こし、最悪失明や下肢の切断、人工透析などを受け入れなければなりません。

暴飲暴食をしない、アルコールの多飲はしない、適度な運動を行うなどの、生活習慣を整えないと、誰にでも発症の恐れがあるのが糖尿病です。

がん

がんは、国民の2人に1人がなる国民病であり、がんに気付かずに亡くなる方もたくさんいらっしゃいます。

そして、医学の進歩により、がんは身近な存在でそんなに恐ろしくない病気になりつつありますが、がんはどうやって作られ、何が原因でニオイを発するのかを説明していきましょう。

がんは、正常な遺伝子が傷つき、異常な細胞が増えていく病気です。

そのがん細胞の増え方は、正常な新陳代謝のサイクルを全く無視した形で勝手に増え、周囲にしみ入るように広がり、血液中に入り血液の流れに乗って、体中のあちこちに飛びます。

その後、がん細胞は正常な細胞が取り込もうとする栄養をどんどんと奪っていきますので、必要な栄養はがん細胞に取られてしまい体は衰弱していきます。

がん細胞が表面に出て来て傷になっている場合は、がん細胞が壊死すると強烈な腐敗臭がします。

しかし、体内にあり大きくなっていないがんは、顔をそむけたくなるような強烈なニオイはしません。

肝臓病

肝臓は、体内に侵入してきた有害な物質を解毒する働きがあり、食品に含まれるニオイも分解している臓器ですが、肝臓の機能低下を起こすと解毒できない毒素が血液中に混ざり込み、ニオイを発生します。

特に肝臓病の特徴として「ドブ臭い」「カビ臭い」といわれています。

肝臓は他の臓器と比べるとかなり再生能力が高く、肝臓自体の機能が少しくらい低下していても、全く問題なく働けるため、自覚症状が現れにくく、症状が出現した時にはすでに手遅れということにもなりかねません。

体臭が気になるまで、放置するのではなく「疲れやすい」「体が重だるい」「食欲がない」「吐き気がする」「白目が黄色くなった」などの症状が出た時には、肝臓疾患を疑って医療機関を受診しましょう。

メープルシロップ尿症

メープルシロップ尿症とは、名の通り「甘い臭いのする尿が出る病気」で、先天性代謝異常症の一つです。

バリン、ロイシン、イソロイシンが分解される途中で働く酵素の異常によって起きる病気で、新生児検査で発見されることが殆どで、早期に治療を開始しないと重度の後遺症を残すか死亡する危険性が高い病気です。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気が甲状腺機能亢進症ですが、別名バセドウ病といいます。

甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促すホルモンなのため、過剰に分泌されると基礎代謝が高まり、汗をかきやすくなったり、皮脂の分泌が活発になるなど、あまりうれしくない症状が出ます。

バセドウ病は、甲状腺を刺激する異常な物質が出続けて、常にホルモンが分泌されるため、安静にしていても体の中はマラソンをしているような状態になり、動悸や息切れ、食べても食べても痩せていくようになります。

甲状腺機能亢進症が原因で体臭になるというのではなく、発汗や多汗、皮脂の過剰分泌により、酸化や皮膚の常在菌の増殖による体臭となります。

この体臭は、基礎疾患であるバセドウ病の治療が優先でしょう。

魚臭症(トリメチルアミン尿症)

魚臭症とは、トリメチルアミン尿症とも呼ばれる、代謝異常の病気の一つです。

食物が小腸に届くと腸内細菌により分解されトリメチルアミンという魚臭い物質が発生していますが、トリメチルアミンは分解酵素が働けば体内に残ることがありません。

しかし、魚臭症になるとトリメチルアミンを無臭化する酵素が欠如していますので、血液中にトリメチルアミンが混ざり込み、汗や尿、吐く息に排出されるため魚臭くなるのです。

魚臭症の治療法は今のところなく、トリメチルアミンの元となる、コリン、レシチン、トリメチルアミンオキシドを含む食品の摂取を制限するようにします。

コリン、レシチン、トリメチルアミンオキシドの元なる食品は以下の通りです。

・海産魚介類
・肉類
・豆類
・卵黄
・乳製品など。

ただし、上記の食品を極端に制限すると、栄養過多になったり、必要な栄養素が取れなかったりしますので、ほどほどにさまざまな食品を摂取しましょう。

魚臭症は、命を失うようなことはありませんが、対人関係上、体臭で悩むことになる病気です。

フェニルケトン尿症

フェニルケトン尿症とは、必須アミノ酸のフェニルアラニンをチロシンという別のアミノ酸に変える酵素の働きが弱く、体内に蓄積してしまい重い精神発達障害を引き起こしてしまう病気です。

フェニルアラニンが蓄積すると精神発達に障害が起き、チロシンが作られないことで、髪の毛や皮膚の色が抜けてしまいます。

また、フェニル酢酸の影響から、尿や汗がネズミ臭が発生する場合があり、早期から適正な治療を行っていかなければならない病気です。

腎臓疾患

腎臓は、血液中に含まれる毒素や老廃物を尿として体外に排出する役割を持ち、大量の血液を濾過(ろか)し、きれいになった血液をまた全身に戻しています。

つまり、腎機能が低下すると、血液をきれいにすることができず、さらに尿を体外に排出もできなくなるため、体内に水分と毒素、老廃物がドンドンとたまり、危篤な状態を引き起こしてしまいます。

血液中の毒素の濃度が高くなるため、汗や吐く息などから、尿臭がしてきます。

ですから、「血尿が出た」「尿が泡立つ」「尿の色が濁ってドロドロしている」「排尿回数が減った(もしくは増えた)」などの、腎機能の低下を疑うような症状が出現した場合は、医療機関にすぐ行くことをおすすめいたします。

病気になり、体臭が出て来たときには、何らかの物質が血液中に混ざり込んでいるため、当然血液を濾過する腎臓にも影響を与え、尿のニオイが変わります。

病気にならないためにはどうしたら良いの?

病気は、先天性や感染症などのもの以外は、殆どが生活習慣から影響を受けています。

そして体は、毎日の食事から作られていますので、塩分や添加物が多い物、農薬や防腐剤がたくさん使われているものは、それだけで体に悪いということが分かります。

また、好きだからと言って同じものしか食べないとか、甘い物やアルコールの多飲などは、肝臓が対応しきれなくなってしまいます。

若々しく生きていくためには、細胞の活性化を考えなければならず、細胞に酸素と栄養を運ぶのは血液であるため、いかに血管年齢を若くするかにかかってきます。

つまり、糖尿病や肝臓病、腎臓病や心臓病、皮膚や眼など全て血管、血液の良し悪しに影響を受けているのです。

ですから、

・暴飲暴食をしない。
・ストレスをためない。
・睡眠や休息をとる。
・食生活を見直す。
・適度な運動をする。
・清潔に保つ。

などの、生活習慣を見直せば、少なくとも生活習慣病といわれる「糖尿病」「高血圧症」「肥満」「動脈硬化症」「心筋梗塞」「脳血管障害」を予防することになるのです。

まとめ

病気の場合は、治療をしなければ、体臭はおさまりませんので、早期発見、早期治療が一番望ましいです。

体臭や口臭などは、誰でも気なるニオイだとは思いますが、稀にワキガなどではなく、病気から発生するニオイの場合もありますので、あまりにも気になるようでしたら、一度医療機関を受診すると良いでしょう。

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