ワキガ(腋臭症)にレーザー治療は効果あり?再発しない?

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ワキガって、自分も周囲の人も同時に辛いもので、全員ではありませんが、ワキガの人は多汗症を合併している場合が多いので、できれば汗も抑えたいですよね。そして、痛みや日常生活にも影響しない方法で、ワキガを治したいとは思いませんか。そこで、今回はワキガ治療の一つとしてレーザー治療についてのあれこれを解説いたします。

1.腋臭症って、なぜ臭うの?

腋臭症って、臭い汗が出てきている訳ではありません。

私たちの体は外気温に対して、体温を調節できる機能があり、汗は体温が上がり過ぎた時に気化熱により体温を下げる役割を持っています。

そしてその汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2つがあり、エクリン腺は主に水分と塩分でできており、アポクリン腺はたんぱく質やアンモニア等を含んでいます。

汗が出た直後は無臭なのですが、アポクリン腺の方は常在菌の栄養源となるたんぱく質を含んでいますので、皮膚や腋毛に付着している常在菌がタンパク質を分解し、菌が増殖するとニオイを放出してしまうのです。

でも、誰にでもエクリン腺とアポクリン腺があるはずなのに、どうしてワキガの人だけニオイがするのでしょうか。

それは、ワキガの人の方が、アポクリン腺の数が多いためなのです。

また、アポクリン腺は脇の下だけではなく、耳の中や乳輪、鼻、陰部にも分布しており、耳の中が汗をかくため、耳垢が湿ってベタベタになっています。

2.腋臭症で困る事って?

ワキガで困ることといえば、もちろんニオイですが、ワキガの人はニオイ以外にも気になるところがあります。

ワキガで多汗症という方たちです。

脇の下の汗ジミと黄ばみが気になり、上着を脱げないとか、色の薄い洋服は着れないなどの心配があります。

汗が出るのを気にしすぎて、「嫌な汗」や「変な汗」が出てしまい、悪循環に陥ってしまいます。

3.腋臭症にレーザー治療が効果あり?

ワキガ治療の一つとしてレーザー治療を選択しようかと悩む方は、メリットとデメリットをよく知ってから決めた方が良いです。

というのは、保険適応外の治療で、費用がかなり高額になるということと、再発することもあり得るため1度の治療では済まなく、数回の通院が必要です。

日進月歩でレーザー機器も進化していますが、専門医による目視で行う手術と比べると、根治を保証できないためです。

ただし、治療後に通常通りの生活に戻れる(制限がない)ことや、治療時間が短く痛みや出血がないことは、ストレスがかからず、とても明るい気持ちになれるでしょう。

アポクリン腺は誰にでもある汗腺ですが、ワキガの人はアポクリン腺が大きく発達しているために、ニオイを発しやすいのです。

ですから、アポクリン腺をレーザーで照射し汗腺を破壊すれば良いのですが、実はどのくらいアポクリン腺があるのかは、目で見てみないと分からないのです。

あとは、腋毛などがあれば、常在菌が住みやすい環境が整っていますので、腋毛のことも考えなければなりません。

4.レーザー治療にはどんな種類があるの?

医療レーザーには高出力タイプと低出力タイプに大きく分けられており、高出力のレーザーは、細胞を焼却や破壊する治療に用いられ、低出力のレーザーは、血行を促したり筋肉の緊張を和らげたりする治療に用いられています。

4-1.炭酸ガスレーザー

皮膚に照射すると水分に吸収されて熱を生じて、ホクロやイボなどを一瞬のうちに消してしまいます。

人の体は60~70%が水分ですので、レーザーメスとしても使用されています。

4-2.ヤグ(YAG)レーザー

水に吸収されにくい特徴があるレーザーのため、皮膚の深い部分の凝固などの治療に用いられます。

眼の奥、膀胱内、椎間板ヘルニア、鼻炎、痔核の切除などに治療成果をあげています。

4-3.半導体(ダイオード)レーザー

低出力レーザーで、細胞の活性化や血行を促し、腫れや炎症、痛みや痒みの治療に有効です。

4-4.ルビーレーザー

メラニンに吸収されやすい特徴があり、アザ、シミ、そばかすの治療に用いられています。

4-5.ヘリウムネオンレーザー

低出力のレーザーで、特に粘膜疾患の治療に使われています。

4-6.ダイレーザー

色素を変えることで、さまざまは波長のレーザーを出すことができる優れものです。

特に血管に異常がある場合の治療に用いられ、選択的に赤い色素であるヘモグロビンに吸収され、他の組織には影響を与えませんので、安心して受けられるレーザーの一つでもあります。

4-7.アルゴンレーザー

赤色に吸収されやすいので、赤アザや血管腫などの治療に使われていましたが、熱作用が強く、皮膚に傷を残す危険性があるため、現在ではダイレーザーに切り替えられてきています。

4-8.エルビウハレーザー

水に吸収率は、炭酸ガスレーザーの10倍以上なので、皮膚に照射すると表皮ですぐに吸収され深部には到達しません。

ですから、表皮だけを浅く削り取る治療に最適です。

4-9.アレキサンドライトレーザー

シミやアザ、脱毛に適しているレーザーで、メラニン色素にだけ反応します。

5.レーザー治療以外には、どんな治療法・対処法があるの?

レーザー治療以外には、どんな治療法や対処法があるのでしょうか。

腋臭症の程度によっても、治療方法が変わってきますので、レーザー治療以外の方法を簡単に説明していきましょう。

5-1.制汗剤

制汗剤には、スプレーやロールオンタイプにクリームなど、さまざまな種類がありますので、自分にあった制汗剤を選べるように簡単にお伝えいたします。

5-1-1.スプレータイプ

スプレータイプは、広範囲に使え、手の届かない部分にも噴霧することができます。

価格も手頃で、持ち運んで外出先で使用することが可能ですが、皮膚への密着度が低い分、制汗効果も短く、1日に何度もスプレーしなければなりません。

5-1-2.リキッドタイプ

スプレータイプと比べると皮膚への密着度は高くなりますが、液だれを起こしやすく自分でつけれる部分が限られてきます。

また、制汗効果を発揮させるためには、リッキドが乾いてから衣服を着る必要があります。

5-1-3.ロールオンタイプ

ロールオンタイプは、リキッドよりも粘調度が高い分、皮膚に密着することが可能です。

ただし、リッキドタイプよりも乾きが遅くなることと、ロールオンのヘッドが直接皮膚に付着するため、常在菌が液剤の中に侵入し、不潔になる場合もあります。

ロールオンタイプは、使用期限を守ることと、自分以外の他者と共有することはおすすめできません。

5-1-4.クリームタイプ

クリームは、汗腺に蓋をする形になりますので、制汗剤としてはかなりの効果が期待できます。

使用感としての好みはありますが、効果が高いので、使用してみる価値ありです。

5-1-5.ボディシートタイプ

外出先なので、汗をかいた時などに手軽に使用できるのがボディシートタイプです。

制汗剤としての効果は、それほど高くはありませんが、汗を拭き取るため皮膚を清潔を保て、アルコール成分等から、気化熱を奪ってもらえますので、暫くは涼しく感じることができます。

5-2.ボツリヌス注射

ボツリヌス注射は、ボツリヌス菌が産生する毒を利用し神経伝達物質であるアセチルコリンを抑制するため、汗を抑え結果ニオイも軽減されます。

ただし、1回の注射で汗を抑える効果は、4~6か月程度であることと、根治治療ではありませんので、定期的に注射を打たなければなりません。

保険適応外の治療で、費用は病院によって違います。

治療後の傷や痛みが無いため、肌の露出が多く汗をかきやすい春~夏の時期にだけ、ボツリヌス注射をする方もいます。

5-3.外科的手術

ワキガの手術では反転剪除法が一般的に行われている切開法で、ワキガと診断された方は保険が適応されます。

脇の下の皮膚をシワに沿って切開をし、皮膚を裏返しにして、目で確認しながらアポクリン腺をハサミで切り取って行きます。

目視していますので、アポクリン腺を完全に除去することが可能ですが、切開し汗腺を取っているため、内出血や痛み、感染のリスクがあり、術後には脇の安静や、腕をあまり動かさないなどの日常生活に制限があります。

同じく汗腺を除去する方法に、皮下組織吸引(マイクロリムーブ)法という保険適応外の手術もあります。

脇の下に数ミリ程度の小さな穴を開け、そこに細い管を差し込み、汗腺を掻き出し吸引します。

皮膚を大きく切開しないことから、傷口が小さく目立ちませんが、汗腺を掻き出す行為は、ハサミで取り除くこととあまり変わりませんので、痛みや内出血などは同様にあると考えていた方が良いです。

6.レーザー治療費はどのくらい?

レーザー治療は自由診療にあたりますので、病院が各々料金を設定することが可能です。

1回の治療に対して料金設定を行っている病院と、最初から数回必要であると見込んでの料金と決めている病院もありますので、レーザー治療を検討している方は何ヵ所か問い合わせてしっかりと確認することをおすすめいたします。

治療費用は7万~50万円とかなりのバラつきがあります。

7.レーザー治療した後の注意点は?もう再発しない?

レーザー治療後の注意点としては、成長期に行った場合には、まだアポクリン汗腺が成長途中ということがありますので、残っていたアポクリン汗腺からニオイがまた発生することがあります。

しかし、完全にアポクリン汗腺をレーザーにより破壊ができれば再発はありませんが、外科的手術とは違いますので、100%の破壊は難しいと考えます。

レーザー治療後には、特別な制限や注意点はありませんが、他の治療と同様に激しい運動やサウナ、アルコールの多飲、脇の下のマッサージを受けるなどの刺激を与える行為は、好ましくありません。

8.腋臭症を病院に行かないで何とか自分で治す方法はあるの?

重症なワキガの場合は、自分で何とか治すことはできません。

でもニオイを軽減させる方法は以下の通りです。
・汗をかいたらすぐに拭くなどして、清潔にしておく
・腋毛があると菌が繁殖しやすいので処理をする
・食べ物は、肉類など動物性タンパクを控える
・毎日、シャワーや入浴をし、皮膚を清潔にする
・塩化アルミニウム液入りの制汗剤を使用してみる
・ストレスを発散し、自律神経のバランスを保つ

以上のことを試してみるだけでも、軽度~中等度のワキガの方はニオイを軽減させることが可能となります。

9.まとめ

現在は、厳密にいうとレーザーではなく、マイクロ波でアポクリン汗腺を除去するミラドライという治療が増えていますが、自由診療のため治療費は高額で、重度のワキガの方は最後外科的手術をすすめられます。

汗腺の大きさや数の多さは、結局は切開してみないと分からないためです。

高額な治療費を支払ったのに、結局は外科的な処置が必要なレベルで、「時間も費用も大幅にかかってしまった」ということがないように、綿密に調べて受診をするようにしましょう。

そして色々と調べて、何ヵ所か受診して頂きたいとおすすめする理由には、医師との相性もあるからです。

初診で受けた印象が今一つだったりすると、効果も半減してしまうものです。

どれだけ親身になって治療を考えてくれているのかを感じ取れた病院で治療を受けて頂きたいと思うわけです。

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