ワキガ体質の人は悩みの種である腋臭ですが、このイヤな臭いの原因はそもそもなんなのかご存知でしょうか?
ワキガ体質であっても、事前にしっかり対策しておく事であの困った臭いを和らげることは可能です。
今回はワキガになってしまっている原因や、臭いのメカニズム、腋臭対策などについてお話していきますね。
■ワキガの原因について
ワキガの臭いは【腋臭症】と言って、単なる汗臭さというものではなく、思わず鼻に違和感を感じてしまう臭いを発する症状です。
ここでは主にワキガ体質や、ワキガの臭いの発生原因についてお話していきます。
ワキガの臭いの原因は?
ワキガの臭いは、【アポクリン腺】と【エクリン腺】という2つの汗腺から出る汗が原因とされています。
脇にはこの2つの汗腺と、もう一つ【皮脂腺】というものがあるのですが、この皮脂腺も臭いの要因です。
アポクリン腺およびエクリン腺から出た汗と、皮膚の常在菌や皮脂腺から出た物質が混ざり合って、強い臭いを発生させます。
臭いの種類にも人により様々ですが、硫黄・古い雑巾・カレーのスパイス・鉛筆の芯などの臭いに例えられる事が多いです。
ちなみにアポクリン腺から出る汗には脂肪酸・タンパク質・アンモニアなどが含まれているものの、この汗そのものとしての臭いはありません。
あくまで常在菌やその他の細菌と混ざり合う事で、ワキガの臭いに変化してしまうといった形になります。
ワキガになってしまう原因は体質?
ワキガは体質が主な原因と言われていて、アポクリン腺の量が比較的多い人は、ワキガ体質に分類されると言われています。
その上で生活習慣や食習慣など色々な要因が絡み合って、ワキガの臭い【腋臭】の強さが変わってくるようです。
そして、「どうしてワキガ体質になっちゃったんだろう?」という疑問に対しては、「遺伝である」と答えるほかありません。生活習慣なども特に関係無いと言えます。
両親のどちらかがワキガ体質の場合は約50%の確率で、両親ともワキガ体質である場合は約80%の確率で、子供にもワキガが遺伝するとされているようです。
仮に両親がワキガでない場合でも、祖父母や親戚からワキガ体質が遺伝する可能性もあります。
発症のタイミングについては、早ければ小学生、一般的には思春期頃に症状が出てきやすいとの事。
ワキガはうつる?
巷でたまに聞く「ワキガはうつる」と言う噂ですが……。ワキガ体質でない人が、ワキガの人から伝染してワキガ体質になるなんて事はまず無いとされています。
そしてワキガ体質の人であったとしても、必ずワキガの腋臭が発生する訳ではないようです。
ワキガの【腋臭】の程度には生活習慣が関係?
生活習慣によってワキガの臭いの程度は変わります。ワキガ体質であっても、日頃から生活習慣を気を付けたりケアをしっかりしていれば、気になる臭いを抑える事もできるのです。
ワキガの臭いの種類や程度については、だいたい以下の要素が関わってきます。
・食習慣
・運動習慣
・ストレスの有無や程度
・喫煙・アルコールなどの習慣
・脇を清潔に保てているかどうか
・肥満体質かどうか
たとえば脂肪分の多い食事を摂っていたり、ストレスが多かったりすると、ワキガの臭いもより強くなる傾向にあります。
また普段から運動する習慣が無い人は、老廃物が溜まりやすく汗と一緒に老廃物も排出される形に。その老廃物の菌が汗と混ざりあって、臭いの元になってしまうようです。
■ワキガの対策
ここではワキガ体質の人に試してほしい、ワキガの臭いをできる限り抑える方法について紹介しています。
1・食生活に注意
ワキガ体質の人がなるべく摂取を控えたいのが以下の食べ物です。
・お菓子
・ジャンクフード
・お肉など動物性タンパク質の含まれる食品
要は脂肪分があまりよろしくないのですが、特に油っこいものや動物性脂質&タンパク質には要注意。
ワキガの原因となる【アポクリン腺】や【皮脂腺】を刺激してしまいます。
アポクリン腺から出る汗の量を抑える為に、動物性の脂質及びタンパク質の多い食事はできるだけ控えましょう。
逆にワキガ体質の人にオススメの食べ物は動物性脂質・タンパク質が比較的少ない食品です。
たとえば大豆・生姜・魚介類・海藻・緑黄色野菜などが挙げられます。洋食よりかは和食が向いていますね。
2・ストレスは適度に発散できるようにする
ストレスを感じた時も、アポクリン腺からの汗が出やすくなるとされています。
また、ワキガの臭いを気にしすぎて、かえってストレスとなりアポクリン腺を刺激してしまうケースも。
ストレスの強度はその人の精神状態や環境によって変わってくるので、ストレスを無くそうというのは難しい問題ですが、適度に発散させられるようにしたいところ。
3・適正体重の維持
肥満体質の人は臭いの強い汗を多くかいてしまう傾向にあります。
肥満傾向にある人はそうでない人より体温が下がりにくい為、体温を下げようとして汗の量を増やしてしまうのです。
よって、肥満気味の人はワキガケアに加えてダイエットを心がけていく事も大切です。
4・脇のケアをしっかりと
毎日脇をよく洗い清潔に保つことはもちろん、季節関係無く制汗剤・ボディシート・デオドラントスプレーなどで、臭いを広がりにくくする工夫も大切です。
最近はワキガ専用のデオドラントグッズもたくさん出てきていますので、ぜひ活用しましょう。
また脇毛処理をする事も大切。脇毛が多く生えていると、脇にかいた汗が皮膚に残りやすくなってしまいます。
脇毛は抜かずに剃って処理するのがオススメです。抜いてしまうとアポクリン腺を刺激して、逆に汗を分泌させやすくなってしまいます。
5・外出時は着替えや脇汗パッドなどを常備
多量の汗をかいた時などいざという時にすぐ着替えられるように、換えのインナーを常備して出かけるのがオススメです。
インナーを着用する習慣が無い場合は、脇汗パッドを多めに持っておくと重宝するでしょう。
6・血行を良くする
血行が良くなると、アポクリン腺と反応して臭いの元になりやすい【乳酸】という物質の量を減らす事ができます。
できれば入浴はシャワーで済まさずに、ぬるま湯のお風呂にじっくり浸かるようにしてみましょう。
入浴にはデトックス効果もあります。体内に老廃物が溜まりにくくなると、臭いの元となる物質も減らしやすいです。
裏技として、お風呂にコップ一杯のお酢を入れて浸かるという方法もあります。
お酢に含まれるクエン酸には、皮膚を酸性に保つことで菌の繁殖を防いでくれる効果があり、アポクリン腺と混ざる菌の量を減らす事が可能です。
7・皮膚科や美容クリニックに行ってみる
市販のデオドラント製品や薬を試しても、どうしても臭いが改善しない場合は、皮膚科や美容クリニックで相談してみるのもアリです。ワキガに効果のある塗り薬を処方してもらえるケースもあります。
アポクリン腺を摘出するというワキガ手術もあるにはありますが、保険適用がきかない為に高額な費用がかかってしまいます。あくまで最終手段として考えるのが良いでしょう。
■あなたはワキガ体質?セルフチェックしてみよう
「脇の臭いが気になるけど、ワキガなのかどうかイマイチ判断できない…」という人は、以下の項目を読んで判断してみてください。
あてはまったからと言って必ずしもワキガ体質であるという事ではありませんが、あてはまる項目が多い程、可能性は高まるでしょう。
1・家族や親戚にワキガの人がいる
ワキガ体質は遺伝によるものなので、特に両親どちらかがワキガ体質であるなら、それを受け継いでいる可能性が高いと言えるでしょう。
2・耳垢が湿っている
入浴後や運動後でもない普通のリラックスした状態なのに、耳垢が湿っている事が多いのも、ワキガ体質の人の特徴とされています。
実はアポクリン腺は脇だけでなく、へそ・乳首・デリケートゾーン・耳の穴にも分布するものです。
耳垢が湿る程に耳の中のアポクリン腺が強く影響する場合、脇のアポクリン腺も強く影響しやすいという傾向にあるようです。
3・服の脇部分に黄ばみがある
一度、着ている服や肌着の脇部分を確認してみましょう。
ワキガ体質の人なら、黄色や茶色っぽいシミができている事があります。
アポクリン腺から出る汗に含まれる成分により、こういった色が付いてしまうのです。
ちなみに、エクリン腺から出る汗には、着色の原因となる物質は含まれません。
ただデオドラントスプレーなどを使っている場合、スプレーにより色が付いているだけという可能性もあります。
寝巻きやパジャマなど、脇に何もつけない状態で着ていた服を使ってチェックしてみましょう。
4・体毛が濃い
ワキガ体質の人はアポクリン腺が多いことと同時に、体毛も濃くなりやすいようです。
脇の毛や陰毛が濃かったり、1つの毛穴から2本以上毛が生えていたりする場合、特にその部分のアポクリン腺が発達している傾向にあります。
5・汗かきである
特に脇に汗をかきやすい人は、それだけ脇にアポクリン腺やエクリン腺が多く分布している傾向です。
季節関係なく脇に汗をかきやすいという人は、ワキガ体質の要素があると考えられます。
■ワキガの原因と対策・まとめ
最後に、ワキガの臭いを軽減させるテクニックをもう一度まとめておきますね。
・動物性タンパク質を控え、野菜中心の食生活を
・肥満体質は汗の分泌を増やす為、適正体重を維持しよう
・脇毛はきちんと処理し、清潔な脇をキープしよう
・外出時は換えのインナーや脇汗パッド、デオドラントグッズを常備しよう
・血行を良くする事で、老廃物をしっかりデトックスしよう
・適度な運動とストレス発散で、健康的な生活習慣を心がけよう
ワキガの臭いは本人が気付きにくいケースもあり、またデリケートな内容なので軽視はできない問題です。
ですが忘れないでほしいのが、ワキガは根本的に遺伝による影響が大きく、決して本人に原因がある訳ではないという事。
なので、あまり考え過ぎて1人で抱え込まないようにしましょう。
色々試してみても効果が無い場合は、病院で相談するだけでも気が楽になるはずです。