女性の口臭とは?その原因と対策を歯科医が解説

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口臭がしたり、口臭だと感じたり、気になったりすることは皆さん誰でも悩みの種になることかと思います。女性であれば尚更いろいろと心配になることでしょう。口臭にはいろいろな原因があり臭いも様々です。女性特有な原因で起こる口臭もあります。今回は、口臭の原因や女性の口臭、その対策について説明させて頂きます。

口臭の原因

・口臭の原因は大きく3つに分類できます。

1つ目は生理的口臭です。

生理的口臭とは、誰にでも起こり得る口臭の事で、起床時の口臭や空腹時や興奮状態・緊張状態の時、女性ホルモンのバランスの変化、飲食(にんにくやアルコールなどの摂取)によって生じる口臭のことです。この口臭は正常な状態に戻ればほとんどの場合で口臭が減少もしくはしなくなります。

2つ目は、病的なことが原因で生じる口臭です。

さらに口腔内の病気である歯周病や虫歯などが原因である場合と、全身疾患である糖尿病や肝疾患、腎疾患、消化器系の異常などが原因で生じる口臭に分類されます。

3つ目は、心理的口臭です。

実際には口臭はしないのですが、人と会話をしている時に相手が顔を背けたり、鼻を手で覆う仕草を見ると自分の口から口臭がしているのではないかと不安になったり、妄想してしまうことです。自臭症や口臭恐怖症とも呼ばれることがあります。
実際にする口臭の事を、真性口臭といいます。真性口臭の原因は歯周病と舌に付着した舌苔が原因のほとんどを占めています。そのほとんどが口腔内の細菌が関係しています。

口臭と細菌

・口腔内の細菌の種類はおよそ700種類いると言われています。その中で口臭の原因となる細菌は歯周病に関係する細菌です。歯周病に関係する細菌は歯周病病原細菌と呼ばれ、porphyromonas gingivalis(P.g菌)、Tannerella forsythensis(T.f菌)、Treponema denticola(T.d菌)、Aggregatibacter actinomycetecomitans(A.a菌)などがあります。これらの細菌は偏性嫌気性菌と呼ばれ、通常酸素がないところで生息します。歯周病病原細菌はタンパク質やアミノ酸を分解して活動し、そのときに生じる揮発性硫化物という臭いガスが口臭の原因となります。さらに舌の表面は乳頭と呼ばれる細かい突起が数多くあり、そこにプラークが付着しやすくなります。これを「舌苔」と呼び、口臭の原因の1つになります。舌苔からはP.g菌が多く検出され舌苔からも、揮発性硫化物による臭いが生じます。

女性と口臭

・女性は男性に比べると様々なところで生理的にデリケートなことが多くあるかと思います。口臭に関しても生理的な口臭が、女性ホルモンのバランスの変化によって生じることがあります。また、妊娠知ることによっても女性ホルモンが大きく影響するため、妊娠時に口臭を生じやすくなります。

女性ホルモンについて

・おもな女性ホルモンは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つのホルモンがあります。エストロゲンは、子宮に作用して子宮内膜を増殖させて厚くさせて、受精卵のベッドを作り、女性らしさを作るホルモンとして、乳房、乳腺を発達させるほか、皮膚や髪に艶を与え、骨や筋肉を丈夫にして、脳や自律神経の安定などにも作用します。プロゲステロンは、子宮内膜を厚くし受精卵が着床しやすく整え、妊娠の成立を助け、維持に働きかけます。妊娠した場合は分泌が続き、胎児の発育しやすい子宮にするように働きかけます。もし、妊娠していなければ分泌量が低下して子宮内膜を体外へ排出するように働きかけます。そのほかに体温を上昇させ、食欲を増進させるような働きがあります。

女性ホルモンと口臭の関係性

・女性ホルモンの分泌と月経は非常に密接に関係しています。月経になると女性ホルモンのバランスは崩れやすくなり、自律神経に乱れが生じやすくなります。月経中になるとイライラしやすくなり交感神経が優位な状態になり、唾液の分泌が低下して、口腔内が渇いた状態になりやすくなり口臭が感じやすくなります。
また、妊娠によってホルモンバランスが変化してエストロゲンの刺激によって、歯周病細菌の1つであるプレボテラ・インターメディア(P.i菌)が増殖しやすくなり、歯肉炎を引き起こします。これは妊娠時期特有の歯肉炎と言えます。歯肉炎が起きると腫れた歯肉に食べかすが溜まりやすくなり、口臭の原因となります。
加齢によって女性ホルモンのバランスは崩れやすくなり、女性ホルモンの分泌の低下し唾液腺などの分泌量も低下します。その為、口腔乾燥となり口臭が生じやすくなります。

口臭予防をするには?

・女性ホルモンに関係して生じた口臭を予防するためには、日常生活の安定が重要になります。生活習慣にも気を遣い、基礎体温を測り体調管理に気を付け、月経中のストレスを出来るだけ軽減するようにします。妊娠中の口臭の対策については、日々のブラッシング、舌ブラシによる舌の清掃をしっかり行い、出産まで定期的に歯科医院での専門的な口腔ケアを行うようにします。女性ホルモンの分泌の低下により唾液の分泌の低下なども生じます。唾液分泌を促すために唾液腺の周囲をマッサージしたり、しっかりよく噛んで食事する様にします。唾液の分泌が増えることによって口臭は改善されます。

まとめ

・女性ホルモンと口臭はどなたでも起こりえることです。日々のブラッシングと生活習慣を規則正しくするようして、口臭のない爽やかな生活を送れるように心がけましょう。

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