口臭の原因と対策とは? 歯医者が教えるこういう人が口臭になりやすい

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歯科医院で働いていると様々な患者さんが来院します。その多くは歯周病と虫歯の治療となります。その次に多い主訴として、口臭が気になる、口臭するという方です。口臭は様々なことが原因で生じます。今回は、口臭の原因と対策、そして口臭になりやすい方について話をします。

口臭の原因

・口臭の原因は、【生理的口臭】、【病的口臭】、【心理的口臭】の3つがあります。その中でも、口臭のほとんどの原因は病的口臭で、その中でも口腔内の病気に原因にある口臭であると言われております。

歯科での口臭

・口腔内の病気とは、歯周病と虫歯が原因であることがほとんどです。そのなかでも、現在どの歯科医院でも歯周病の治療をしない日はないと言えます。それは、【全世界で最も蔓延している病気は、歯周病である。地球上を見渡しても歯周病に冒されていない人間は数えるほどしかいない。歯周病は人類史上最も感染者臭が多い感染症である。】とギネスブックに書かれています。

また、歯周病が原因での口臭の他にも、親知らずが生えてきてそこの部位がうまく歯ブラシが届かず不衛生になり、食べかすなどが詰まって臭いを生じる場合や、虫歯治療で治した詰め物や被せ物の隙間などから2次的に虫歯になり、その中で細菌が繁殖して臭いを生じる場合や、虫歯が進行して歯の根っこの先端が細菌に感染して化膿し、臭いが生じる場合などがあります。

歯周病と口臭

・歯周病は口臭の原因のほとんどを占めていると言われています。歯周病は歯周病病原細菌の歯周組織への感染などにより生じる慢性炎症です。炎症の症状として、歯茎の腫れ、出血、痛み、排膿、歯のぐらつきなどがあります。しばらくは、痛みがほとんど感じられずに進行するので、歯周病と気付いた時には、手遅れになっていることもしばしばあります。

歯周病の原因である、歯周病病原細菌は偏性嫌気性菌と呼ばれ、通常の生物とは異なり、酸素を嫌い、タンパク質やアミノ酸を分解して活動のエネルギーを得ています。このとき生じる揮発性硫化物という【ドブ臭さ】のような臭いのガスが口臭の原因となります。硫化物という通り、硫黄的な臭いですので、腐った卵や腐った食べ物の様な臭いがします。

また、歯周病病原細菌が含まれたプラークが舌に付着すると【舌苔】と呼ばれ、歯周病同様口臭の原因となります。舌が黄色く変色していたら舌苔が舌に付着している可能性が非常に高いでしょう。

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口臭が生じやすい人の傾向とは?

・口臭の原因のうち、生理的口臭は誰にでも起こりうる口臭です。例えば、朝起きたときに生じたり、空腹時や興奮時に生じます。そして、日常生活に戻ればほとんどの場合は口臭が無くなることが多いのが特徴です。心理的口臭は、実際に口臭がしていないが、口臭がしているのではないかと感じたり、妄想的に思ってしまうようなことをいいます。口臭の原因のほとんどが、病的口臭です。この病的口臭の原因は、口腔内では歯周病、全身疾患では、糖尿病、肝疾患、腎障害などです。これらの共通点として【生活習慣病】であることが挙げられます。口臭になり易い方の多くは生活習慣に問題がある場合が多いです。更に、喫煙習慣、アルコールを摂取する習慣がある方も口臭が生じやすいです。また、仕事や日常生活にストレスを感じやすい環境にいる方も口臭が生じやすいです。これは、ストレスを感じる方の多くは、口腔内が乾燥しやすくなり、その影響で唾液の分泌が低下して、唾液の自浄作用や抗菌作用も低下してしまい、口腔内にいる歯周病病原細菌が増殖して口臭が生じやすくなるためです。

すべてをまとめると、口臭が生じやすい人の傾向は、生活習慣、食習慣に乱れが多く、ストレスを感じやすい、またはストレスが生じやすい環境にいる人に多い傾向です。自己管理が出来ない方に生活習慣病は多く生じるので、同様に口臭もそのような方に多く認められます。

歯科医院で遭遇する酷い口臭

・歯科医院で遭遇する口臭で、歯周病がかなり進行しているのにあまり自覚症状が無い方の臭いはかなり強烈な場合が多いです。このような方の多くはあまりブラッシングを行わない方が多く、歯周病病原細菌の繁殖が著しいのでより複雑な揮発性硫化物が混じりあった臭いとなります。また、このような方の多くには喫煙をしている方が多く、タバコに含まれる多くの有害物質もさらに混じりあい、信じられない口臭を生じることとなります。(さらに、コーヒーを同時に飲む習慣がある方はもっと凄い口臭がします。)

これは、やはり日々の生活習慣と口腔内をあまりにも不衛生にしている結果で起こることです。逆に、生活習慣がしっかりしていて、日々のブラッシングなどの口腔内を清潔に保っている方の多くには、口臭に対する問題はほとんどありません。

歯科医師が教える口臭対策

・口臭対策についてはいろいろあります。時間の経過でほぼ口臭が無くなるような、生理的口臭をすぐに無くしたい場合や、家で行う口臭対策や、口臭の原因を根本から無くしたい場合など、様々な口臭対策があります。

家で行える口臭対策

・家で行える口臭対策で一番効果的なのは、何といっても毎日行う【ブラッシング】です。最近では1日1回行えば口腔内の健康維持には十分であるという歯科医師もいます。しかし、毎日食後に歯周病の原因であるプラークを口腔内から排除することが大変重要になります。さらに、食後ブラッシングを行う習慣を身に付けると言うことは、常に口腔内の健康に対してのモチベーションが維持されているということに繋がり、口臭予防に即座に反映されます。

歯周病病原細菌が含まれたプラークが舌に付着すると舌苔と呼ばれます。この舌苔に含まれる歯周病病原細菌から揮発性硫化物が生じ、口臭の原因となります。これを取り除くには舌を磨けばよいのですが、舌は非常にデリケートな構造となっている為、雑に磨くと傷をつけてしまい味覚異常など生じる原因となります。そのため、歯を磨く歯ブラシでも舌苔を取り除くことが可能ですが、出来るだけ舌専用の舌ブラシを用いて舌苔を除去するようにします。

歯科医院で行う口臭対策

・歯科医院では、口臭の原因である歯周病の治療を行い、口臭を根本から取り除けるようにします。歯周病の原因はプラークと歯周病病原細菌です。また、歯に付着した歯石も歯周病を増長させる原因となるため、取り除く必要があります。歯石自体には病原性はありません。しかし、歯石に歯周病病原細菌は付着しやすく、歯石を足場にして増殖します。そのため、歯石を歯から取り除く必要があります。歯石除去は、スケーリング(Sc)やスケーリングルートプレーニング(SRP)と呼ばれます。

歯周病の治療は、その進行の程度により異なります。先ほど説明した、ScやSRPのような基本的な治療の他に、かなり進行した歯周病では、フラップオペレーションやGTRなどいったような歯周病外科治療が必要になる場合もあります。このような治療を行い、歯周病の更なる進行を食い止め、歯周病の安定に努めます。そして、何より一番大切な事が治療後の定期的なメンテナンスとなります。歯科医院でメンテナンスを行い、歯周病の管理、指導することが歯周病の治療で最も大切な事となります。そうすることにより、患者さんの口腔内の健康に対してのモチベーションを高いところでの維持に繋がり、これこそが口臭対策で最も効果があることだと考えられます。

まとめ

・口臭は、生活習慣や食習慣が乱れている方、ストレスを多く感じている方が多く生じやすい傾向があります。さらに、喫煙やアルコール摂取する習慣があり、コーヒーを良く飲む方であれば尚更口臭を強く感じます。(補足すると、コーヒーを飲むとコーヒーの渋みの臭いと、コーヒーに含まれるカフェインは精神を興奮させます。興奮状態になると唾液の分泌は低下します。そのため、口臭が生じやすい環境となります。)

口臭を防ぐには、まず生活習慣、食習慣を規則正しく改善する必要があります。そして、日々のブラッシングを正しく行う習慣を身に付けて、定期的な歯科医院での検診とメンテナンスを行いましょう。全身疾患も口臭の原因となるので、医科での治療や検診も必要になります。

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