普段は感じないのに、緊張感が高まった時やストレスを受けた時に、口がパサパサになって自分の息が臭いなと感じたことってありませんか。口臭の原因の殆どが口腔内にあると言われていますが、実はストレスを受けた時にも、口臭が発生します。今回はなぜストレスを受けると口臭が出るのか、その原因や対策について解説いたします。
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◼そもそもストレスとは何?
そもそもストレスとはどんな状態をいうのでしょうか。
ストレスと聞くと、どうしても「嫌なこと」とイメージしがちですが、実はストレスとは悪いことだけではなく嬉しいことや楽しいことでも、心と体に刺激を受けたら「ストレス」といいます。
例えば、分かりやすいストレスというのは離婚や彼(彼女)との別れなどですが、嬉しいはずの結婚もかなりのストレスになっているのです。
ストレスは個人の性格や受取りによって、かなり感じ方に差があり、そのストレスは全てが悪いものではなく、良い刺激になっている場合もあります。
人はストレスとリラックスしている状態のバランスを保ちながら生活していきますが、そのバランスを崩すと自律神経に影響を与え、体調不良や病気を引き起こしてしまいます。
その自律神経のバランスを崩して出る症状の一つとして、口臭があります。
◼ストレスがかかると体はどういう状態になるの?口臭の原因はこれだった!
私たちの体は非常にうまく作られており、自分が意識をしないでいても、体をキチンと守れるように自律神経が働いています。
つまりストレスがかかり、心や体に影響を与えるレベルになると、知らず知らずのうちに自律神経が働き、ストレスに打ち勝てるように作用します。
自律神経である交感神経と副交感神経を分かりやすくいいますと、ライオンが獲物を狙っている時には興奮し緊張感が高まっていますので、交感神経が優位になっています。
交感神経が優位になっている時には、心臓の鼓動が速くなり、獲物が良く見えるように瞳孔も大きく開いて、外敵に襲われてケガしてもあまり出血しないように、血管が収縮しています。
人も緊張感が極限に来ている時に、顔が青ざめて見えるのは血管が収縮しているためです。
そして、ライオンが獲物を獲得した後は、獲物を食べるだけなので、緊張感や興奮はおさまり、副交感神経が優位となり唾液の分泌が増加します。
つまり、副交感神経が優位になれば、唾液の分泌が増加しやすく、ストレスなど緊張感が高い状態の場合には交感神経が優位となるため、唾液の分泌が減少するということです。
唾液が減少すれば、口腔内の細菌が洗い流されないため、細菌の増殖が進み口臭が発生します。
ストレス → 防衛反応 → 交感神経興奮 → 唾液分泌減少 → 口腔内細菌増殖 → 口臭
◼口臭を軽減させるための唾液分泌を促す方法5つ
唾液分泌を促すには副交感神経が優位になれば良いのですが、何よりも自律神経を整えることが重要です。
私たちの体を守ってくれる自律神経を整える方法として、以下にまとめてみました。
1.睡眠
睡眠中が最も副交感神経が優位になっている時間ですので、良質な睡眠がとれるような工夫が必要です。
例えば、マッドレスの硬さや枕の高さ、室温や湿度、明るさなどを調節する必要がありますし、就寝直前までテレビやパソコンを見ているなどは、脳を興奮させやすいため、おすすめできません。
可能であれば、決まった時間に起きて寝るのが良いでしょう。
また朝目覚めたら、太陽の光を浴びるということを習慣化することがおすすめです。
なぜかと申しますと、太陽の光を浴びるとメラトニンという睡眠ホルモンが抑制され、体が活発になるからです。
そしてそのメラトニンは、一度抑制された後、14~15時間程度でまた分泌されるため、眠気が出現し生活のリズムを整えやすくなるのです。
2.入浴
入浴は汚れを取るだけではなく、疲れを取りリラックスできる方法の一つではありますが、温度や入浴する時間によっては、逆効果となってしまいますので、しっかりと有効な方法で入りましょう。
朝風呂は、交感神経を高めやすくなりますので、仕事に行く前に入るのは有効です。
しかし、同じ朝風呂でもお湯の温度がぬるいとリラックスしてしまい、仕事に行こうと思っても疲れた感じになってしまいますので、注意が必要です。
夜に入浴する場合は、38~39℃程度のややぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。
そうしますと、リラックスし副交感神経が優位となりますので、夜入浴後、1時間以内に床につくのが深い眠りにつきやすいといわれています。
3.食事
食事は、生きていく上でとても重要なことは誰でも承知のこととは思いますが、食べ物によって私たちの体は作られていますから、食べ方や何を食べるかをキチンと理解していた方が良いでしょう。
生野菜などを食べることで、自然と酵素を取り入れることができますので、これにより代謝が高まり、自律神経を整えることが可能となります。
特に食物繊維は腸内に長くとどまるため、副交感神経が優位になりやすいといわれています。
なかでも、ビタミン、ミネラル、カルシウムが不足すると自律神経が乱れやすくなりますので、気をつけて摂取することをお勧めいたします。
また納豆や味噌などの発酵食品も腸の善玉菌を増やしますので、腸が健やかになり、自律神経が整いやすくなります。
そして、ある程度の硬さがあるものもしっかり噛み食べることで、口の周りの筋肉を鍛えることにもなり、唾液が分泌しやすい状態を作ることも大事です。
4.運動と呼吸法
運動をしている時には、交感神経が優位になっていますが、体を適度に動かすことで、自律神経自体の働きは良くなります。
運動のし過ぎによる過労はよくありませんが、適度な運動(有酸素運動)による疲労感は良質な睡眠にもつながりますし、筋肉をつけたり、体力を向上させることは、健康面からみてもおすすめです。
そして、呼吸法についてですが、腹式呼吸は副交感神経の働きを高め、胸式呼吸は交感神経を高めてしまいますので、意識して腹式呼吸を行うのが良いでしょう。
特に就寝前に腹式呼吸を数回行ってから、寝ることをおすすめいたします。
5.音楽や香り
好きな音楽や香りは、脳をリラックスさせます。
特に、自然音(波の音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声など)が入っているものが良いとされています。
香りについては、好き嫌いがあるので、一概にはいえませんが、ラベンダー、ベルガモット、オレンジやレモンなどの柑橘系の香りが自律神経を鎮静させる効果があるとされています。
◼ストレスを無くして口臭も解消しよう!
少なくとも、口臭の原因が虫歯や歯周病、歯槽膿漏でない場合には、ストレスの影響から口臭が発生しているかもしれません。
ストレスが原因で、唾液の分泌が減少しているのであれば、何が原因でストレスになっているのかを知る必要がありますし、その上で自分なりのストレス解消法を考えなければなりません。
趣味や運動、グルメや買い物、自分にとって、「これが一番のストレス解消法」を見つけることが大事です。
自分にとって、嫌なことや悪いことだけではない場合がありますので、自分の特性などを見つめてみる機会かもしれません。
◼︎まとめ
口臭を気にしすぎるとこれもストレスにつながります。
ストレスがまた口臭を生み出しますので、やることをやって、それ以上は気にしないという開き直りも時には必要です。
口臭を解消するには、口腔内環境を整えると自律神経を整えるです。
リラックスできるように生活習慣を見直せば、ストレスからも解放され、口臭という悩みも解消できるのではないでしょうか。
まずは、今すぐできることから、はじめてみましょう。