【歯医者が教える】男性ならではの口臭。なぜ口臭がするようになるのだろうか?その原因と対策

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家族や友人に「口が臭い」と言われて、自分の息が臭いと気になった方は多いはずです。特に男性では、自分ではいままで気になっていなかったのに、口臭を指摘されて気付くことは意外と多いのではないでしょうか?男性ならではの口臭はあるのでしょうか?そして、なぜ口臭がするようになるのでしょうか?今回は、男性の口臭の原因と対策について説明します。

男性ならではの口臭とは?

・口臭の種類や分類に男性、女性で差別されているものはありません。例えば、女性特有の口臭といえば、【妊娠】、【生理時】に口臭がしやすくなるということがあります。しかしながら、特別な臭いがするというわけでなく、ホルモンバランスの変化によって生じる口臭です。

それでは、男性特有の口臭の口臭とはなんでしょうか?それは、統計的に男性特有の【生活習慣】にあります。女性と比べて、喫煙率やアルコール摂取率は、明らかに男性の方が多い傾向にあります。また、食生活も生活習慣も男性の方が乱れがちです。その影響で、歯周病、肝疾患、肺疾患、腎障害、消化器系の異常は男性で発病することが多く認められます。そして、これらの病気には共通して口臭の原因となります。そこで、あえて男性特有の口臭は?という問いに答えるならば、これらの病気が原因で生じる口臭がそれぞれ混じりあった場合、独特な口臭となることがあります。(さらに、タバコ、アルコールが加わればもっと独特な臭いとなります。)

以上の事により、男性特有というよりも男性に明らかに多い口臭が、女性よりもよりもあることがわかります。さらに、女性は常に生理現象によって生じる口臭を常に気にします。社会的身だしなみとしても、女性は口臭に警戒する傾向もあります。男性はそういうところでは、口臭に対してやや無頓着な感じの印象があります。そのため、知らず知らずに口臭が酷くなってしまっているケースも多くあります。

喫煙と口臭

・喫煙は圧倒的に男性に多いことがわかっております。そして、喫煙することにより口臭する確率もぐっと上昇します。喫煙しているだけでも口臭と感じる方や、タバコの臭いが非常に苦手という方もいます。そのため、喫煙者の口臭はそれこそ独特な口臭として捉えることができます。

タバコの煙には非常に多くの化学物質が含まれています。その数はおよそ4000種類もあります。そのなかでも、致死性の化学物質は200種類ほどもあります。発がん性物質も60種類ほども含まれます。この数字からも喫煙とその煙はかなりの健康被害があることがわかります。そのなかでも臭いとして感じるのは、アンモニア、アセトアルデヒド、硫化水素、フェノール類などです。これらが入り混じることで喫煙者の口臭は、個人差はありますが酷いものとなります。

タバコの煙それだけでも、かなり刺激がある臭いです。喫煙すると、タバコの煙に含まれる一酸化炭素のせいで、赤血球のヘモグロビンは酸素と結合するよりも、一酸化炭素と速やかに結合してしまい、赤血球によって酸素運搬ができなくなります。とくに、歯肉への酸素の供給が停滞してしまい、歯周組織の免疫応答が著しく低下します。そのため、喫煙者は喫煙しない人と比べると、歯周病の進行が速くなります。出血などの炎症性の症状もあまり認められない為、喫煙者の歯周病は自分が気付かないうちに進むという恐ろしさがあります。

喫煙者の歯には、プラークや歯石の付着が通常の歯周病患者に比べると多い傾向があります。かなり、歯周病が進行しないと痛みなどの症状が生じないため、基本的に口腔内の状態に無頓着な方が多いです。歯科医院で歯石を取るなどの歯周病の治療もなかなかしようと考えません。

歯周病は、歯周病病原細菌による歯周組織の炎症です。歯周病病原細菌は進行した歯肉の深い溝の中で生息することを非常に好みます。それは、歯周病病原細菌のほとんどが、【偏性嫌気性菌】と呼ばれる、酸素がないところで活動を好む細菌だからです。酸素の変わりにタンパク質やアミノ酸を分解して活動のエネルギーを得ます。このとき生じる揮発性硫化物という臭いガスが口臭の原因となります。喫煙者では、歯周病の進行が進んでいる為、歯周病病原細菌の繁殖も活発になります。歯に付着した歯石は様々な物が付着しやすい形態となっております。細菌もそのひとつです。

タバコのヤニも非常に付着しやすくなります。ヤニはタールと呼ばれる成分で、タールは有機化合物であり、独特な臭いを生じます。歯石に付着したヤニの臭いと細菌が生じる揮発性硫化物が混じり糞尿臭となにかが腐ったような臭いのような凄まじいに多いがします。ある意味これが、男性特有の口臭と言えるでしょう。(さらに、コーヒーを良く飲む方だともっと臭いが酷くなります。)

アルコールと口臭

・アルコールを摂取した後は、生理的口臭を生じます。その時は、アルコールの臭いが口臭としてありますが、実はアルコール摂取を習慣とする方は、歯周病の口臭がアルコールを飲まない方に比べると圧倒的に多くなります。アルコール摂取を習慣とするかと、しない方では歯周病のリスクが高くなります。その発生機序については不明ですが、アルコールを摂取することにより、口腔内の唾液の分泌が低下し、口腔内が乾燥した状態になります。口腔内が乾燥すれば、細菌が繁殖しやすい環境となり、口臭が生じやすくなります。

食事と口臭

・男性(とくに独身男性)は、食生活が乱れがちです。例えば、朝食を食べないでそのまま歯磨きをしないで出勤することが多くなります。そのため、歯を磨くことも習慣的ではなくなってしまう傾向があります。ブラッシングが習慣化されていなければ、口腔なの清掃状態が不良となり、歯周病や虫歯の発症が上昇します。そうなれば、自然と口臭の発生も増えていきます。

食事をするときも、男性はどちらかというとゆっくりしないで、短い時間で済ませてしまう傾向があります。勿論、個人差はあります。短い時間で食事を済ませるということは、よく噛んで食べないと言うことです。食事のときによく噛むと言うことは、食べ物を細かくすることができ、唾液の分泌量も増える為、歯を磨かなくても口腔内を綺麗にすることができます。さらに、唾液量が多くなるため、細菌も一緒に唾液の自浄作用、抗菌作用によって口腔内から減少します。よく噛まないということは、口腔内が不潔になりやすく、細菌は繁殖しやすい環境となるということです。

生活習慣と口臭

・メタボリックシンドロームの男女比は、2:1となっており明らかに男性に生活習慣の乱れが認められます。その影響で男性はとくに生活習慣病を発病しやすくなり、生活習慣病が原因で生じる口臭がするようになります。

生活習慣病と口臭

・生活習慣病とは、その名の通り日々の日常生活が大きく寄与します。睡眠、食事、運動、休息、喫煙、飲酒などの生活習慣が、そのまま病気の原因や発病の因子となります。生活習慣病が原因で生じる口臭があります。この口臭と歯周病(歯周病も生活習慣病です。)の口臭が入り混じり、独特の口臭がするようになります。

糖尿病と口臭

・糖尿病になると、糖の代謝の異常により【アセトン臭】という甘酸っぱい(果物が熟したような臭いがします。)臭いが口臭、体臭に生じます。糖尿病と歯周病の関連性は非常に強く、糖尿病のコントロールが悪い方は歯周病の症状も悪くなる傾向があり、歯周病の症状が進行していれば、糖尿病の数値もなります。そのため、糖尿病患者であれば歯周病患者である確率は高くなり、同時に口臭もアセトンの甘酸っぱい臭いと歯周病の口臭のドブ臭さが混ざった臭いがすることがあります。

肝疾患・腎障害(尿毒症も含む)と口臭

・アルコール摂取量が多い方は肝臓と腎臓の機能が低下しがちです。肝臓・腎臓の機能が低下すると、人体に有害な【アンモニア】の分解がうまくできなくなり、体内にアンモニアが残ってしまうことがあります。そのため、口臭と体臭よりアンモニア臭がするようになります。アンモニアは鼻につくような刺激臭が特徴です。(お酢の酸っぱさの様な感じです)このアンモニア臭に歯周病の口臭が混ざると、刺激的などぶのような臭いがするので、人によっては嘔吐してしまう可能性すらあります。

消化器系の異常と口臭

・消化器系の異常や大腸がんになると、腸内フローラ(腸内の細菌叢)のバランスが乱れて、悪玉菌が活性化します。この悪玉菌が原因でインドール・スカトールが生じて、糞尿臭、おなら臭のような口臭がするようになります。これに歯周病の口臭が混じるとさらに強い糞尿臭がしてしまいます。

どのようにして口臭を防げばいいのか?

・このような口臭を如何にして防げばよいのでしょうか?それにはまず、【生活習慣の見直し】を考えなければいけません。禁煙、アルコール摂取量を極力控える、食事をしっかり摂る、睡眠を十分にとる、休息をしっかりとるなど健康的で規則正しい生活をするようにします。そして、痛みなどの諸症状がなくても、定期的に医科での健康診断(人間ドック)を行い、体に異常が無いかチェックします。万が一、どこか異常があれば速やかに精密検査をして、治療を行うべきです。

口腔内も同様に定期的な検診とメンテナンスを行うようにします。とくに、歯周病はどなたでも起こりうる病気であるため、歯科医院でしっかり検査して、治療を行うようにします。勿論、毎日のブラッシングも歯科医師や歯科衛生士に指導してもらい、正しく食後行う習慣をつけるようにします。このようにして、毎日健康に気を遣うことで、口臭が生じることを予防することができます。

まとめ

・男性の平均寿命は女性と比べると、およそ10歳も短いです。毎日仕事でストレスを抱え、健康の事を二の次にしがちです。しかし、健康が大事だと気付いた時に手遅れになってしまっていることもあるかもしれません。体が丈夫な時から病気を予防する姿勢、習慣を持つことが、これからの真の【男の姿】なのではないでしょうか?とくに口臭がしないと言うことは、紳士の身だしなみの1つといえます。日ごろから口臭は予防することは可能なので、健康であるために気を付けるようにしましょう。

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